導入事例
Case
様々な業種・規模の企業様にご利用いただいております。
品質管理システム「品質デザイナー for GxP クラウド」 文書管理システム「文書デザイナー for GxP クラウド」
表面的な「ペーパーレス化」から脱却し
医薬品物流に求められる品質管理体制を構築
大塚倉庫株式会社


会社情報
| 導入時期 | 2026年3月 |
| 従業員数 | 390名 |
| 事業内容 | 倉庫業、貨物運送取扱業など |
| 適応業務 | 逸脱管理・CAPA管理・変更管理・教育訓練・文書管理 |
POINT
・「紙をなくすこと」が目的化し、品質管理の運用には多くの課題
・短期導入と荷主での実績が導入を後押し
・導入を機に、QA経験者が中心となってゼロから運用を再構築
・データインテグリティの確保へ前進
「大塚倉庫株式会社」は、医薬品や加工食品・飲料、日用品など、暮らしと健康に欠かせない商品を支える「大塚ホールディングス」の物流事業会社です。グループで製造される製品以外にグループ外の医薬品も取り扱っており、特に輸液(点滴)分野では高いシェアを持っています。
こうした医薬品物流の現場では、GDPガイドラインに基づき、流通過程においても高水準の品質管理が求められます。
一方で、同社ではメールやExcelを中心とした品質管理の運用に課題を抱えていました。そこで、「品質デザイナー for GxP クラウド」を導入し、業務の見直しと電子化を進めています。
今回は、導入の背景と効果についてGDP管理室の担当者に話を伺いました。
「紙をなくすこと」が目的化し、品質管理の運用には多くの課題
大塚倉庫では、約10年前から全社的にペーパーレス化を推進してきました。
多くの業務で紙運用からの脱却が進みましたが、品質管理業務については、
・Excelファイルに記録を書いただけで必要な承認が回っていない
・各地の倉庫がそれぞれのやり方で進めてしまいルールが少しずつ違っている
など、適切に進んでいるとは言い難い状況でした。
担当者の1人は、かつて再生医療業界でQA(品質保証)を経験していたため、この点を問題視していました。
「医薬品物流はGDPガイドラインとはいえ、荷主(医薬品の製販企業)の監査を受けるため、GMP省令の基準で指摘を受けることがあります。当時のペーパーレス化は表面的で、それらの基準を満たしていませんでした」
メールを使った逸脱管理に限界を感じる
加えて、実務的な問題も露呈します。
2025年の夏から、先述の担当者と、医薬品製造業から転職してきた担当者の2人が中心となって未報告の品質イベント(※)を洗い出し、浮上した約200件の処理・評価をGDP管理室で行いました。
当時の運用は、報告書をメールに添付して上司へ送付し、上司がPDFファイルに電子サインを付けたうえでGDP管理室へ報告するものでした。関連するメールは全てCCで共有されるため、大量のメールを追いながら状況を把握しなければならない状態でした。
これらを社内外共通のメールアドレスでやり取りしていたため、約200件の処理が始まると社外とのメールも含めて情報の混在が深刻に。品質イベントを適切に管理する仕組みの必要性がより明確になりました。
「限界を感じました。ペーパーレス化が目的になってしまっていたと思います」
と当時のことを振り返ります。
(※)逸脱や変更など。倉庫における逸脱には、出荷数の誤りや輸送業者の配送ミスなどがある
短期導入と荷主での実績が後押し
これらの課題を受けて抜本的な見直しに着手。品質管理システムの比較検討を始めました。
その中で、「品質デザイナー for GxP クラウド」を選んだ理由については次のように話します。
「社内での予算取りも含めて、早く安く導入したいと考えていました。ユニオンシンクは担当者の対応が早く『半年後には稼働を開始したい』という要望にも応えていただけそうなのが1つの決め手になりました。加えて、荷主企業での導入実績が多いことも信頼性の面で後押ししてくれました」
従来の品質イベントの帳票は要件不足や書式不統一といった問題があり、現場運用に即しているとは言えない状態でした。
そこでQA出身の担当者が中心となり、ユニオンシンクがクラウドサービス向けに提供しているテンプレートをベースにして業務・文書体系の再構築に取り組みました。

メールからの脱却で管理レベルが向上
導入後はメール中心だった管理から脱却し、逸脱管理、変更管理、CAPA(是正・予防措置)管理などの品質イベントを電子化することができました。
全国に6カ所ある拠点とのやり取りも大きく変わります。
「管理が楽になりました。特に帳票の一時保存機能が便利です。以前は、GDP管理室までメール添付で来たものに対して『ここを直して』とメールに書いて送り返していましたが、今は申請者の一時保存の状態を確認して『直してから申請してください』ということを事前に伝えることでやり取りを減らすことができています」
DI(データインテグリティ)の面で大きな改善が見られ、申請・修正・承認の履歴をシステム上で追跡しやすくなったほか、不備のある状態のまま承認プロセスが進むことも防げるようになりました。
「今回の導入がGDP管理室の負担軽減だけでなく、会社全体で品質管理への意識を共有するきっかけになれば良いなと考えています」
と担当者は話します。
今後は、倉庫の清掃記録やフォークリフトの点検記録といった周辺業務の承認プロセスについても、電子化を広げていく方針です。
また、「GMPに対応している」ことは、荷主に向けてもアピールポイントになると話します。
「当社が受けている認可は卸売販売業で、箱を置くことだけしかできません。医薬品の原材料を取り扱ったり、箱にラベルを貼ったりするためには、医薬品製造と同様にGMP製造業の認可が必要になります。現状より高い水準が求められますが、対応できるサービスが増えるため、将来的には取得できるよう、会社としてレベルを上げていきたいと考えています」

業界全体の水準向上も見据えて
これらの取り組みは、自社内の運用改善や事業拡大にとどまりません。医薬品物流の現場に求められる品質管理のあり方を見直すきっかけにもなるといいます。
「私たちは製販企業から監査を受ける一方で、物流を行う委託先企業に監査に行くこともあります。すると、SOPや品質イベントの記録がないということがあります。当社の改善は始まったばかりではありますが、業界全体の品質管理水準向上にも貢献できたらと思います」
※Microsoft Excel®はMicrosoft Corporationの登録商標です
※2026年9月現在の情報です

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