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連結決算

連結決算について

1つの会社の決算を単独決算というのに対し、親会社と子会社および関連会社を合わせたグループ全体の決算のことを連結決算といいます。
経営成績および財政状態を把握でき、連結決算により親会社が作成した財務諸表(連結財務諸表)は個別財務諸表に比べ、企業の実態を明確につかむことが可能です。
従来、日本では個別財務諸表が重視される傾向がありましたが、近年では連結決算が重視されるようになっています。

2008年5月13日、企業会計基準適用指針第22号「連結財務諸表における子会社および関連会社の範囲の決定に関する適用指針」が企業会計基準委員会(ASBJ)から公表されました。

日本では、上記適用指針が公表されるまでは、子会社および関連会社の範囲の決定に関しては、日本公認会計士協会 監査委員会報告第60号「連結財務諸表における子会社および関連会社の範囲の決定に関する監査上の取扱い」が実務上の指針とされてきました。
上記適用指針では、監査委員会報告第60号のうち会計上の取扱いに関する部分について、その内容が引き継がれるとともに、会社法の施行への対応や取扱いの明確化が必要とされていた点についての対応が加えられています。

また、平成21年3月27日、平成20年12月26日公表の「企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」等の取扱い等に合わせるため、会計基準の改正が公表され、連結財務諸表における子会社および関連会社の範囲の決定に関する適用指針」も改正されました
この改正により、以下の修正がされました。

  • 企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」等に対応して表現を改正
  • 平成20年12月に公表された「連結財務諸表に関する会計基準」および「持分法に関する会計基準」が適用された連結会計年度および事業年度から適用する
(金融庁ホームページ)
子会社および関連会社の範囲の決定に関する適用指針編

企業会計基準適用指針第22号において、新たに定められた連結範囲の取扱いのうち、主要なものは以下の通りです。

他の会社等の意思決定機関を支配していないこと等が明らかであると認められる場合(VC条項)
連結決算:他の会社等の意思決定機関を支配していないこと等が明らかであると認められる場合
(要件)
  • 売却等により当該他の会社等の決議権の大部分を所有しないこととなる合理的な計画があること
  • 当該他の会社等との間で、当該営業取引として行っている投資または融資以外の取引がほとんどないこと
  • 当該他の会社等は、自己の事業を単に移転したり自己に代わって行うものとはみなせないこと
  • 当該他の会社等との間に、シナジー効果も連携関係も見込まれないこと
連結決算:子会社に該当しない要件イメージ
利害関係者の判断を著しく誤らせるおそれがあるため連結の範囲に含めない子会社 

子会社のうち、連結することにより利害関係者の判断を著しく誤らせるおそれのある会社等は連結の範囲に含めないものとされています。

(該当子会社の考え方)
他の企業が子会社に該当しても、例えば、当該子会社がある匿名組合事業の営業者となり、当該匿名組合の事業を含む子会社の損益のほとんどすべてが匿名組合員に帰属し、当該子会社およびその親会社には形式的にも実質的にも帰属せず、かつ、当該子会社との取引がほとんどない場合は連結の範囲に含めないものとされています。

海外の子会社等が連結財務諸表を作成している場合の連結子会社および持分方適用関連会社の範囲

連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い」により監査委員会報告の定めは適用されないこととなるため、適用指針には当該取扱いは示されなくなった

資本連結手続に関する実務指針編
資本連結手続き上の投資と資本
支配取得日の子会社に対する投資額の算定

資本連結手続において子会社の資本と相殺消去される親会社の子会社に対する投資額は、 支配獲得日の時価で算定します。子会社に対する投資額は、算定された取得の対価に、対価性が認められる支配獲得に直接要した支出額を加算して算定します。

支配獲得前から親会社が当該会社の株式を保有している場合

①支配獲得前において、その他有価証券として分類していた場合
支配獲得日における時価と、支配獲得直前の当該株式の適正な帳簿価額との差額を段階取得して処理します。

②支配獲得前において、関連会社株式として分類していた場合
連結上の投資原価(取得原価)は、持分法による投資評価額ではなく、支配獲得時の時価により評価された額となり、支配獲得日における時価と持分法による投資価額との差額を段階取得に係る損益として処理することとなります。

連結決算:資本連結手続き上の投資と資本イメージ
みなし取得日等の取扱いの変更と明確化

支配獲得日、株式の取得日または売却日等が子会社の決算日以外の日である場合には、「当該日の前後いずれかの決算日」に支配獲得、株式の取得または売却等が行われたものとみなして処理することができるとされています。
この場合、支配獲得日は、当該決算日のことを言います。

のれんまたは負ののれん(純額)が発生する企業結合において、のれんの計上

契約等により取得の対価が概ね独立して決定されており、かつ、内部管理上独立した業績報告が行われる単位が明確である場合は、 当該業績報告が行われる単位ごとにそれを分解してのれんまたは負ののれんを算定し、処理します。

負ののれんの会計処理が変更された

負ののれんが生じると見込まれる場合には、すべての識別可能資産および負債が把握されているか、 また、それらに対する取得原価の配分が適切に行われているかどうかを見直し、それでもなお取得原価が受け入れた資産および引き受けた負債に配分された純額を下回り、 負ののれんが生じる場合には、当該負ののれんが生じた事業年度の利益として処理します。

のれんの償却開始時期の明確化

のれんは、その効果の発現する期間にわたって償却し、投資の実態を適切に反映させる必要があることから、のれんの償却開始時期は、原則として、支配獲得日からであり、 通常、それは子会社の損益計算書が連結される期間と一致する。

在外子会社等ののれんの換算方法の見直し
連結決算:在外子会社等ののれんの換算方法の見直しイメージ
在外子会社ののれんまたは負ののれんの計算方法

在外子会社ののれんは、従来は発生時の円貨で固定(外貨建ののれんを発生時の為替相場により換算)されていましたが、決算日の為替相場により換算することに変更されています。
のれんまたは負ののれんは、子会社に対する投資と子会社の資本のうち親会社持分との消去差額となります。


連結会計基準に定めのない会計処理等の取扱いの明確化
この適用指針の公表により、下記の項目が新たに追加されました。
  • 取得原価の配分(資本連結手続上の子会社の資産および負債の評価に相当する。)における暫定的な会計処理
  • 企業結合に係る特定勘定への取得原価配分
  • 所定の注記事項(取得とされた企業結合の注記事項)
  • 共通支配下の取引等に係る注記事項
  • 会社の企業結合により当該会社が子会社に該当しなくなった場合の株主に係る注記事項
連結決算:連結会計基準に定めのない会計処理等の取扱いの明確化イメージ

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